「わざわざすみません」
車に乗り込み頭を下げた。急いで来てくれたのだろう。部屋着のようなスエットにツバのついた帽子を被っている。
「そんなことより大丈夫?どうしたの?」
運転席の方を向けば怪我をしていることが分かってしまう。
「足、どうしたの?」
顔を見られないようにしていたけれど気付かれていた。
「えっと、転んじゃって」
ん?と近藤は怪訝そうな顔をした。
家から離れた場所でこんな時間に徒歩で出かけ財布を無くすという有り得ない事態が起こったという作り話を信じる近藤ではないだろう。
「彼と、何かあったんでしょう?」
隠しきれるはずもない。それに私はきっと誰かにこの出来事を聞いて欲しかったのだ。だから近藤に電話をかけてしまったのだ。
「それはよくないね」
話し終わると近藤は静かに言った。
「今謝っても多分話聞いてくれないと思うので」
「凛ちゃん?悪いのは凛ちゃんじゃないよ?しっかりして。凛ちゃんが謝る必要は全くないから。これは向こうが詫びても簡単に許していいことじゃないから」
「そうなのかな、私が」
「凛ちゃん」
「いたっ」
近藤が肩に手をかけようとした。
車に乗り込み頭を下げた。急いで来てくれたのだろう。部屋着のようなスエットにツバのついた帽子を被っている。
「そんなことより大丈夫?どうしたの?」
運転席の方を向けば怪我をしていることが分かってしまう。
「足、どうしたの?」
顔を見られないようにしていたけれど気付かれていた。
「えっと、転んじゃって」
ん?と近藤は怪訝そうな顔をした。
家から離れた場所でこんな時間に徒歩で出かけ財布を無くすという有り得ない事態が起こったという作り話を信じる近藤ではないだろう。
「彼と、何かあったんでしょう?」
隠しきれるはずもない。それに私はきっと誰かにこの出来事を聞いて欲しかったのだ。だから近藤に電話をかけてしまったのだ。
「それはよくないね」
話し終わると近藤は静かに言った。
「今謝っても多分話聞いてくれないと思うので」
「凛ちゃん?悪いのは凛ちゃんじゃないよ?しっかりして。凛ちゃんが謝る必要は全くないから。これは向こうが詫びても簡単に許していいことじゃないから」
「そうなのかな、私が」
「凛ちゃん」
「いたっ」
近藤が肩に手をかけようとした。
