2月に入ると気温は更に下がり寒さは増していった。よく晴れた日でも空の青の色は薄く、それだけで哀愁を感じる。
その日は思ったより早くやってきた。
「今日溝手さんじゃなくて藤原くんが入るんだって」
「え?」
今井の言葉に動揺を隠せない。
「私の後藤原くん入るから」
とくりとくりと正直に鼓動は早くなる。
「そう、なんですか」
戸惑いを隠せず今井に気付かれてしまいそうだ。鼓動が施設全体にも響いているのではないだろうか。
その後の数時間は集中力が欠け、あまり覚えていない。何度も時計を見ていた。
「じゃあおつかれ」
17時を過ぎると今井は元気にそう言ってフロントを後にした。
もうすぐ彼が来る。会いたくて焦がれて仕方なかった彼が来る。床がふわふわしている。ときめきなのか切なさなのか分からないけれど胸が痛い。もうどちらでも構わない。なんでもいい。会いたい。
20分ほど経ってから、事務所の方から足音が近づいて来るのが分かった。そちらを見ることができない。
「ごめん、ごめん」
悠樹の声だ。
顔を上げると何もなかったような笑顔を見せながら、彼はもう1度ごめん、と言って胸の前で手を合わせた。
その日は思ったより早くやってきた。
「今日溝手さんじゃなくて藤原くんが入るんだって」
「え?」
今井の言葉に動揺を隠せない。
「私の後藤原くん入るから」
とくりとくりと正直に鼓動は早くなる。
「そう、なんですか」
戸惑いを隠せず今井に気付かれてしまいそうだ。鼓動が施設全体にも響いているのではないだろうか。
その後の数時間は集中力が欠け、あまり覚えていない。何度も時計を見ていた。
「じゃあおつかれ」
17時を過ぎると今井は元気にそう言ってフロントを後にした。
もうすぐ彼が来る。会いたくて焦がれて仕方なかった彼が来る。床がふわふわしている。ときめきなのか切なさなのか分からないけれど胸が痛い。もうどちらでも構わない。なんでもいい。会いたい。
20分ほど経ってから、事務所の方から足音が近づいて来るのが分かった。そちらを見ることができない。
「ごめん、ごめん」
悠樹の声だ。
顔を上げると何もなかったような笑顔を見せながら、彼はもう1度ごめん、と言って胸の前で手を合わせた。
