それからの日々は『有楽』のアルバイトが楽しみだった。体力的には楽であり、いつも今井と組んでいた。今井はユーモアのある人で会話するのがとても楽しかった。自衛隊にいるという恋人の話も聞かせてくれて、私もいつか悠樹の話を聞いてもらおうと思うようになっていた。
今井が少し早く上がるため、交代でチーフの溝手が入ってくる。2人しかいない社員のひとりで、小柄だがとても威圧感がある。大きいけれどつり上がった目が余計に厳しい印象を与える。短時間だが溝手とフロントに立つことがこのバイトで1番神経を使う時間だ。
「香川さんは藤原くんたちと知り合いなんでしょ?」
業務以外会話したことのなかった溝手はそんな質問をし私を驚かせた。
「あ、はい。友達が直正くん、あ、三宅さんと付き合ってて、藤原さんともそれで知り合いになりました」
溝手に問われると尋問でもされている気分になる。
「そうなんだ。前って?最近?」
「高校の時なので1年くらい前です」
「その頃から藤原くんとも知り合いなの?」
「いえ、三宅さんとは知り合いでしたけど、藤原さんと知り合ったのは最近です」
「ふぅん、そうなんだ」
「はい」
そこから沈黙になり何となく気まずい空気だった。もしかしたら私と彼のことが広まっているのかもしれない。簡単に騙せるバカな女だと笑われているのかもしれない。
たとえそうでも、彼を感じていられるこの場所にいたい。
今井が少し早く上がるため、交代でチーフの溝手が入ってくる。2人しかいない社員のひとりで、小柄だがとても威圧感がある。大きいけれどつり上がった目が余計に厳しい印象を与える。短時間だが溝手とフロントに立つことがこのバイトで1番神経を使う時間だ。
「香川さんは藤原くんたちと知り合いなんでしょ?」
業務以外会話したことのなかった溝手はそんな質問をし私を驚かせた。
「あ、はい。友達が直正くん、あ、三宅さんと付き合ってて、藤原さんともそれで知り合いになりました」
溝手に問われると尋問でもされている気分になる。
「そうなんだ。前って?最近?」
「高校の時なので1年くらい前です」
「その頃から藤原くんとも知り合いなの?」
「いえ、三宅さんとは知り合いでしたけど、藤原さんと知り合ったのは最近です」
「ふぅん、そうなんだ」
「はい」
そこから沈黙になり何となく気まずい空気だった。もしかしたら私と彼のことが広まっているのかもしれない。簡単に騙せるバカな女だと笑われているのかもしれない。
たとえそうでも、彼を感じていられるこの場所にいたい。
