こんなに笑ったのは、いつぶりだろう
いつも笑ってた幼い頃が脳裏をかすめる
その中心には必ず珠希がいた
「あ〜、久しぶりに笑った。本当、お前には負けるわ」
お茶を二人分コップに淹れ、珠希に渡しテーブルに並んだ中から鮭おにぎりを手に取り、口に頬張る
誰かと食べる食事は、美味しく感じた
お腹も満たされた時、珠希がポツリと言う
「そう言えば、何で一人暮らしなの?」
確かに、珠希からしては俺一人だけ ここに戻って来た事に対して疑問でしかないだろう
それは分かっている
普通ならば、家族で帰って来るだろうから



