ドキンと心臓が跳ね上がる
何とも色気たっぷりな目下の彼女に目を奪われる
珠希は俺から視線を外すように顔を横に向けた時、俺は我に返った
これは…この体制はヤバい
ベッドの上で覆いかぶさるような体制になっている事に遅れながら気付いて早くも後悔した
横を向いたその顔の口元には、叩かれた時に切れたであろう傷がある
よく見ると頬も赤くなっていて赤面しているのとは明らかに違う
そっと頬に触れると、痛みに歪む顔
それと同時に収まっていた怒りが込み上げてきた
「ッチ!」
苛立ちを隠しきれず舌打ちをして、痕が残らないようにタオルに包んだ保冷剤を珠希に渡した



