『やっと会えたな』そう言って抱きしめて、その涙を拭ってあげたい… そんな衝動に駆られるが俺から出た言葉は、そんな感情とは裏腹に酷く冷たい言葉だった 「……うぜぇよ、離せ」 そう口にしたと同時に振り払った、細くて小さな手 瞬間、目を見開いて動揺を隠せずにいる珠希に追い打ちをかけた 「失せろ」 これでいい… 俺だけ幸せになる訳にはいかねぇ… なぁ、そうだろ?お前も、珠希が好きだったんだから はぁ…と重たい気持ちを吐き出してアパートに帰った