「わざわざ送ってくれて ありがとう。じゃあ、おやすみ」 「あぁ。それと今日の飯代」 手に渡されたのはクシャクシャになった千円札 そして軽く手を上げ、名残り惜しさも微塵に感じさせず踵(きびす)を返し帰って行く その後ろ姿を見えなくなるまで見つめていた 名残り惜しいのは私の方だ もう少し一緒にいたかったな…なんて思うのは、きっと私だけなんだろうな ゴールデンウィーク初日は、怖い目に合ったけれど 汐月との距離が少しだけ縮まったと信じたい