両手は何故か汐月の手によって抑(おさ)え込まれていて、上から覗き込むように見られ恥ずかしさのあまり顔を背ける
この状況は色々、ヤバい……
さっきからバクバクと五月蝿(うるさ)く鳴り響く心臓
すると壊れ物に触るように優しい手つきで頬を撫でられドキンッと心臓が跳ね上がる
それと同時にズキッと痛みが走り、思わず顔を歪めた
「ッチ!」と舌打ちをし離れたかと思うと、水で濡らしたタオルと保冷剤を持って戻って来た
「ほら、コレで冷やしとけ」
頬に当てられたタオルは ひんやりとして熱をもった頬が気持ち良い
「ありがとう………助けてくれて」
「……ん」
小さく返事をした汐月はベッドに背を向け凭(もた)れかかった



