どれくらい経ったのか
数分……いや、数秒……時間にしたら、ほんの少しだったのかもしれない
頭が真っ白になって何が起きたのか理解するまで時間がかかっていた
その時
突然、勢いよく腕を引っ張られアンチ君から引き離されて背中に感じる温もり
その人は背後から私を包み込むと、ギュッと抱きしめた
「コイツだけは誰にも渡さない」
海月?
ビックリしているのは私だけじゃなく、目の前にいるアンチ君もだった
「突然、現れて何?せっかく良い雰囲気だったのに。邪魔しないでよ。俺の告白タイム!」
呆れ顔のアンチ君は、私を通り越して海月に視線を向けた
「……悪い。でも、譲れない」
それは、どういう意味?
海月は…その言葉をどんなつもりで言ってるの?
「…ッチ!んだよ!!あ〜ぁ、白けた」
そんな言葉で私の思考はストップした



