いつの間にか足元の揺らめく水面を見てた私は、その言葉に誘われるかのようにアンチ君を視界に捉えた
「そ…んなんじゃないけど……」
口吃る私の頬をアンチ君の右手が優しく撫でた
「この前も言ったじゃん。俺で良ければ話し聞くって」
その言葉に釣られるかのように、ポツリポツリと言葉が溢れてくる
「私…海月と再会して……初めは昔みたいにまた仲良くなれたらいいなって思ってた。大切な幼馴染だから…でも…気が付いたら、いつの間にか好きになってて…。海月も、もしかしたらって感じた時があったけれど……それは私の勘違いだったみたい」
ハハハ…と力無く笑った私に、アンチ君はただ真剣に話しを聞いてくれていた
「何故、勘違いだと思ったの?」
「………私 偶然、聞いちゃったの。海月が女の子に告白される所…海月は、その子の告白を断ったんだけど…その理由は、ずっと前から片思いの子がいるみたいで…それで………」
「そっか。誰にも相談出来なくて辛かったね」
アンチ君の言葉が心の中にストンと落ちてきた



