夏休みが明け、浮きだった気持ちも落ち着きを取り戻していた


九州から帰って来た海月は、以前とは違って雰囲気が柔らかくなっていた


笑顔が増えたからだろうか


そんな彼は前にも増して女子の人気を集めている


「はぁ…」

頬杖をつき、窓の外を見ながらボーッとしていた


「何?盛大な溜め息ついちゃってさ」


声がする方を見てみれば私の顔を覗き込むパッチリした瞳と視線が絡まった


「別に〜」


気の抜けた返事をすると、聖奈の赤い唇は弧を描いた

「はは〜ん。須藤か」


ポツリと溢れるように呟いた言葉に反射的に反応した


「ちがっ!!」


「違わないくせにぃ。何?あんた達。何の進展ないわけ?」


そう言いながらドカッと前の席に腰を下ろした