黒ヶ崎高校に行かなかったら珠希に会う事もなかった
珠希に会わなかったら、あの事件の犯人に出会う事もなかった
そうすると汐月の事件は未解決事件として終わっていたかもしれない
きっと汐月は、俺達 家族に未来を与えてくれたんだと思う
前を見て歩けと…
まぁ…汐月の事だから『何やってんだよ』って呆れてたのかもしれないけれど
駄目な兄貴だと笑ってるだろうな
「汐月の事だから、あいつが大好きな向日葵の花を買って行けば許してくれるさ」
珠希が笑った時、汐月は『向日葵みたいだ』と よく言っていた
「あぁ、そうだね」
「そうね、そうしましょ」
両親は涙を浮かべながら微笑んだ



