❁live your life❁



その日の夜、父親が思いがけない事を言った


「母さん、海月。今度の日曜日、家族で汐月に会いに行かないか?」


穏やかな笑顔を浮かべる父親に、母親が涙を流した


「そうね…。私ったら、一度も汐月に会いに行けてないから。きっと、汐月は私に怒ってるかもしれないけれど…」


「そんな事ないさ。母さんは、ずっと汐月を想っててくれたじゃないか。だから、伝わってるはずだよ」


思い返せば、事件以来 一度も皆であの頃の汐月の話しをする事はなくて…


逆に汐月の話しをするのはタブーになってた