側に居たいのに、それすら許されない状況で、どうする事も出来ず ただ見ているだけ
目の前では数人の警察官が海月の様態を診ていた
「至急!!救急車」そんな声が聞こえ、そこからは頭が働かず何も考えられなくて なされるがままになっていた
現場は慌ただしくなり海月の所から移動するように言われ一人の警察官に連れられて階段へと向かう途中、視界に入った木製バット
「あ…まって……ちょっと待って!あれ!!」
足を止め、隣に居た警察官と近くにいたスーツを着た警察官に縋るように袖口を掴んだ
「あのバット!6年前の事件ッ!!ここで亡くなった男の子の。あのバットで殴ったって!!だから、お願い!調べて下さい!!」
もし、これが証拠になるとしたら海月、おじさんとおばさんの悔しさを晴らす事が出来るかもしれない
そして、汐月も…きっと浮ばれる



