❁live your life❁


携帯から聞こえてくる警官の声


何か質問しているみたいだけど、応えるべきか躊躇する


もし今、あの男が戻って来たら……?
話してる所を見られたら……?



色んな事を想像し、緊張で変な汗がたらりと背中を伝う


そんな時、汐月が言っていた言葉を思い出した



『何も話さなくていい、ただ電話かけるだけでいい』



その言葉を信じていない訳ではないけれど不安だから、やっぱり一言だけでも伝えたい


ギュッと携帯を握りしめ、素早く口元へ携帯を持ってきて「お願い、助けて…」と呟くように言った


その携帯は通話を切らずに急いでポケットに入れる


声が震えいて、聞こえたかどうかも不安だけど異変に気付いてくれる事を願った