暫くしてカコンと何かが石にぶつかる音がして目の前にバットが転がってきた
その後すぐに聞こえる誰かの叫び声
それと同時に汐月の声も…
「お前が汐月に与えた痛みは、こんなもんじゃねえだろ!!!」
怒りを含んだ声にハッとした
そうか……あの二人のどちらかが汐月を殺したんだ
私は無意識にポケットの中の携帯を握りしめた
「ケーーン!!こっち来い!」
その声に隣の男は反応した
「は?でも、女は?」
「こんな場所に連れて来られて逃げた女はいねーよ!放っとけ!二人で袋叩きにすっぞ!!」
袋叩き?汐月…
「は〜、やれやれ。二人いて何やってんだよ。逃げんなよ?ねえちゃん」
「……逃げるわけないでしょ」
「それもそーか。大事な彼氏を置き去りに出来ねぇもんな?」
ククッと笑いながら暗闇に姿を消した



