俺の意識が逸れた一瞬の隙に二人は同時に襲いかかってきた
半歩後ろに下がり体を反らしながら数回の攻撃を躱す
目の前に迫る拳を左手で受け止めると、そのまま拳を掴むように握りしめた
そして、グッと力を入れ手をグルリと下の方へ回転させ腕を捻ると男は膝をついた
「うぐぅっ」
背後に気配を感じ横目で見ると珠希の側にいた男が横腹を狙って蹴りを繰り出していた
衝撃に備えて力を入れて踏ん張るとドッという鈍い音と共に強い衝撃と痛みが体中に走った
「…っつ」
痛みを無視し間髪入れずに、右肘を締め男の足を挟むと同時に目の前に膝をついてる男の手を離し、その男の顳顬(こめかみ)目掛けて蹴りを入れた
そのまま右足を軸に体を回転させ、足を掴んでた男の顔に左フックを打つ
「ぐ…っ」
男がよろけながら数歩下がったのを確認し、相手が体制を整える前に頭部に回し蹴りを決めた



