膝をつくかと思ったが、やはりこんなもんじゃ殺(や)られないか
バットで体を支えるように立った男は口元を腕で拭い唾を吐く
「なかなか いいパンチしてんじゃねーか!!」
言い終わると同時に一気に距離を詰めバットを振り上げ、さっきよりも素早く そして力強く振り下ろした
避ける暇もなく左腕でそれを受け止めた
ミシ…っと骨が鳴り、ズキンと鈍い痛みが襲った
「…くっ」
「ハッ!骨折るつもりだったが意外と頑丈だな」
そう言うと更にバットを振り上げる
振り下ろされるその瞬間に、その腕を蹴り上げた
「ぐッ」
蹴り上げた反動で男は仰け反り数歩、後ろに下がって顔を歪めながら腕を押さえた



