俺の腕を拘束しているノブと呼ばれた茶髪の男の不意をついて力任せに肘鉄を入れて拘束を解いた
よろけたのを視界の端で捉えると、すぐに体制を整え蹴り飛ばした
背後にあった少し大きめの岩にドッと鈍い音を立て叩きつけられた瞬間、一気に距離を詰め蹲(つくば)った状態の男の顔面を下から蹴り上げた
男はぐったりとして動かなくなった
それを傍観していた目の前の男は余裕の態度
「へぇ〜、強くなったじゃないの。少しは楽しめそうだな。途中で根を上げるなよ?身代わりになってくれる奴は、あの女だけだからよ」
チラっと珠希を見てニヒルに笑うと、肩をグルッと回してバットを頭上高く振り上げた男を鋭く睨みつける
「てめぇは相変わらずクズ野郎だな」
反吐が出そうだ
珠希には手ぇ出させねえ!



