黒髪の男がバットを持ち直し近づいてきた時、俺の心臓はドクンと大きく跳ね上がった
外灯の僅(わず)かな光が男の顔を照らす
目尻にあるピアス、バットを握る手には蛇の入れ墨、そして見覚えのあるドクロの指輪
一瞬で当時の記憶が呼び起こされ走馬灯のように脳裏を掠めていく
「お前……あの時の」
怒りが腹の底から湧き上がり、感情のコントロールが効かなくなっていくのが分かる
「あ?何だ?」
黒髪の男は、覗き込むように俺の顔をジッと見ると何かに気付いたのか口角を上げる
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…