男達に視線を向けると、車のトランクから木製バットや木刀を取り出している 汐月が言った通りだとしたら、あのバットが… ゴクリと息を飲む 心臓がバクバクして震えが止まらない 「汐月…今のうち逃げよう」 「いや、無理だ。それより珠希、携帯持ってるか?俺が気を引くから警察に電話かけろ。何も話さなくていい、ただ電話かけるだけでいい」 何も言わなくていいって、どういう事だろ でも、この状況から警察に説明してる暇なんてない 汐月が気を引いてくれるまで息を潜める