少しぬるめのお湯を出し気持ちを落ち着かせる
汗を流し終えて、シャワールームから出ると入れ替わりに汐月がシャワールームに入っていった
ベッドに腰しかけ、タオルで髪の毛を拭きながら今日の出来事を思い返す
まさか、おばさんが…
思い出しただけで胸が締め付けられるように苦しくなった
思いに耽(ふけ)っていると、いつの間にかシャワーを浴び終えた汐月が後ろから私を抱きしめ、首元に顔を埋めた
ドキンと跳ね上がる心臓
「え?ちょっと、汐月?」
「少しだけ…少しだけ、こうしていたい」
そうだよね……
「うん、いいよ」
いくら病気とは言え、母親から あんな風に責められたら…一番つらいのは汐月なんだよね
肩に回る腕は、少しだけ震えている
「大丈夫、大丈夫だよ。海月」
小さい子供をあやすように、安心させるように彼の腕にそっと手を添え寄り添った



