「カウンセリングには定期的に行ってるんだが、心の病気は簡単には治らないと言われてね。海月には辛い思いをさせてしまってる。本当にすまない」
「仕方ねえよ。こればっかりは…。じゃあ、俺ら帰るわ。顔も見れたし、元気そうで良かったよ」
てっきり汐月は泊まって行くものだと思ってたけれど、やっぱり居づらいのか何の躊躇(ためら)いもなく荷物を手にした
「……そうか。まだこっちには暫く居るんだろ?」
「まぁ、そのつもりだけど」
二人の会話を聞きながら汐月の後を付いていく
「また、顔を出してくれな?」
「………いや、父さんには悪いけど。やめとく」
その時の二人の背中が寂しそうに見えた



