ーーー ーー ー 「珠希、起きろ。着いたぞ」 「ん…」 いつの間にか寝てたみたいで、目が覚めたら福岡に着いていた 慌てて荷物を手に持ち、電車から下りて地下鉄に乗り換え、汐月が暮らしている街へとやって来た 「ここから歩いてすぐだから」 「ちょっと待って。何か、緊張してきた」 久し振りに再会する事もあって、想像以上に緊張している 「俺の親に緊張なんかしなくていい」 少し困ったように笑って、そう言うと私の手を取り、ゆっくりとした足取りで駅を出た