「で?何日から行くつもりなの?帰省ラッシュに遭(あ)わないようにしなきゃね」
そう言いながらカレンダーをチェックする母親
「ママ、まだ何にも決まってないから」
落ち着くように促しても、私と汐月を置いて話しはどんどん先に進んでいった
汐月が言うには長居はしないと言う事で3日分の着替えを詰め込んだキャリーバッグを手に取り、母親が買ってきたお土産を受け取った
「忘れないように渡してね」
「分かってる」
靴を履き玄関のドアノブに手を掛けた時、ガチャッと勢いよくドアが開いた
「荷物、トランクに乗せるから貸してごらん。汐月君も待ってるだろうから、急いで」
「うん。じゃあ、行ってきます」
「気を付けてね」
外まで見送りにきた母親に手を振った



