少し体が冷えてきたから浜辺に戻ってパラソルの下で二人肩を並べて座っていた
「もうすぐさ…お盆だろ?さっきの連絡、父さんからだった…まぁ、1回くらい帰って来いって話しなんだけど……あまり気乗りしねえんだ」
携帯に視線を落としていた汐月は、小さなため息をついた
「帰りたくないの?」
「……まぁな。一人で帰る勇気が持てないっていうか…帰りたくないっていうか。俺、高校に進学する事を理由につけて逃げ出したんだよ」
ハハ…っと力なく笑う彼はすごく儚く見えた
「……じゃあ、二人で行くっていうのは?二人だったら、汐月は実家に帰れる?」
そう言うと、汐月は予想外だったのか目を見開いて私を視界に捉えた
「一緒にって……。いや無理だろ、それは流石に。おじさんとおばさんが許してくれねえって」
汐月は、最後まで『無理だ』と否定していた



