パーカーのポケットから携帯を出して視線を落とすと、はぁっと大きい溜息をついた 「どうしたの?」 頭を抱えた汐月を覗き込むと、少し困ったような笑顔で私の頭をくしゃくしゃと撫でた 「何でもない」 何でもないって言う割には、どこか淋しそう… どう声を掛けたらいいのか迷った 「泳ぐか」 ポツリと呟いた汐月は羽織っていたパーカーを脱ぐと立ち上がり、少しだけ伸びをして私の手を取った