机の上に広げた1枚の新聞
一ヶ所を指差して、聖奈に見せた
「コレ、須藤が言ってたヤツ?」
「そう…新聞に載ってたんだ。載ってたのに、私は何にも知らなくて…連絡が途絶えた事にショック受けて……私は自分の事ばかりで…」
汐月が話してくれた事が現実だって突き付けられたみたいに今になって実感を持てた
やっと泣きやんだのに、ジワリと視界が歪んでいく
「珠希、あんたが知らなくて当然じゃん?だって、近くにいなかったんだし。悲しいかもしれないけど、過ぎた事を悔やんでも どうにもならない。あんたのやれる事は これからの須藤を支えてやる事。アイツは まだ過去から抜け出せてないんだから」
「聖奈…」
そう言い切った聖奈は 何て真っ直ぐで、強いんだろう
聖奈の言う通りだ、しっかりしなくちゃ
海月は、汐月として生きようとしている…
それは海月の為にも、汐月の為にもならない
海月として汐月の分まで生きなきゃ意味がないんだ
その為には……
「聖奈、ありがとう。そうだよね…私に出来る事をするよ」
聖奈は強いな、友達になってくれて本当に良かった



