「え?!ちょっと……聖奈!」
思わず声を掛けると、聖奈が振り返り ニッと笑って私に来るように促した
「珠希、大丈夫だって。紹介すっから。ほら、コイツ。ウチの彼氏」
集団の中からグイッと腕を掴んで引きずり出したのは今朝の男の子だった
「あ?んだよ」
「大柳景親(オオヤナギカゲチカ)っつーの。通称、カゲチーな!」
腕をガッチリとホールドされた景親君は、離せと言いながらも聖奈のされるがままで、二人が仲が良いのが見てるだけで分かった
「んで、こっちが珠希。さっそく友達になったんだ」
「あ、辻本珠希です。ヨロシクお願いします」
ペコリと頭を下げて挨拶すると、頭の上から吹き出すような笑い声が聞こえた



