一瞬で教室中の視線を独り占めする その子は一人だけ完璧に浮いていた
茶髪で派手な子も何人かいる中で、それでも目を引く存在だ
胸下まであるピンク色の髪の毛は綺麗に巻いてあり、その髪を頭の高い位置でポニーテールにしている
耳には沢山のピアスが付いていて、濃い化粧が小さい顔を引き立たせている
思わず目で追いかけた
それに対して生まれたまんまの何の洒落っ気もない平凡な私は、彼女の後に続いて教室に入り、席番を確認すると真ん中の一番後ろだった
そして、左隣には さっきのピンクの頭の女の子
「初めまして、辻本珠希(つじもとたまき)って言います」
「……何で敬語なワケ?タメじゃん」
いやいや…怖いからに決まってんじゃん
「ウチ、平野聖奈(ひらのせな)。聖奈でいいよ。アンタの事、珠希って呼ぶわ。ヨロシク」
「聖奈……ね。これからヨロシクね」
聖奈は見た目と違って気さくで話しやすい子で、仲良くなるのも早かった



