【短編】眠り姫に口付けを。





冬の空気は夏に比べて

冷たく乾いているのに。

太陽は夏に比べて、

とてもとても強いから不思議。



そのままゆっくり身体を寝そべらせて。

芝生に寝っ転がって彼女の方を向いてみる。


座ったままの彼女は何だか嬉しそうに笑いながら僕を見つめている。



やっぱり彼女は不思議。


すると急に彼女は僕を見下ろしたまま。


「あのね…、四季くん?」


ちょっと真剣そうな顔をする。



「ん?」


言い終えた瞬間に

俺の傍に居た筈の猫が急ぎ足で逃げ出す。