【短編】眠り姫に口付けを。





「劇、いつやるの?明日?」

「明日じゃないよ!…明後日だよぉ」


少し頬を膨らませて『私こないだ言ったのに!』と不服そうな表情。



「ごめんごめん」


猫を撫でながら彼女に笑顔を向けて笑う。



「口癖だね『ごめんごめん』って」


クスクスと面白い物を見たような顔して笑うから、

僕も何だか面白い気持ちになって、



笑ってしまった。



「そうかなぁ?」


「そうだよ」



そして少しの沈黙が訪れる。


だけどその沈黙でさえも苦しくなくて…


それがまた心地好い物だったりする。