【短編】眠り姫に口付けを。





「君に派手なドレスは似合わないなぁ〜」



傍でゴロゴロ喉を鳴らす

猫の顎の下を撫でながら僕は言う、



「似合う似合わないじゃなくって…ね?物語的にはどう思う?」



「物語よりも僕的には君重視でいいと思うんだけどね…」



そんな些細な一言にさえ、



彼女は表情を面白いくらいに変えてくれる。




「…っもう!!」


少し赤らめた顔で拗ねる君は

“可愛い”のだろうか。




「ふはは…っ」



声を上げて笑ってしまう。