【短編】眠り姫に口付けを。





──…。




『…ねぇ、君は何をしてるの?』


幼い僕は問い掛ける。



でも彼女はピクリとも動かない。


…??



『そんな所で寝てたら…風邪、引いちゃうよ?』


言葉を繋ぎながらその彼女の側まで、

ゆっくりと足を忍ばせる。



草むらの花がたくさん咲き乱れている、この場所。


春の匂いがする、



この場所。


そこで君は眠っていた。