二人で飲んでいると、

マスターに

「あんたら好きあってるでしょ、目を見ればわかる」

と言われた。

奈緒が俺の耳元で囁く

「こういうお店で働くプロには見破られちゃうね」

それって・・・おまえ結婚するんだよな…

そうこうしてるうちに酔っ払い始め、俺たちはぎこちない感じもなくなった。

どちらからともなく喧嘩したことについても話したが、もうどうでもよくなっていた。

まあ俺が悪いんだろうが笑い話だ。

そして暫くたって奈緒は言った。  

「私・・、結婚するのね」   

「・・・」

「・・・なんか言うことある?」

しばらく時間がとまったような感じがして・・・

俺は奈緒になら裏切られても騙されてもいい。

そういう人が一人くらいいてもいい。

奈緒の嫌なところも含めて全てが好きだ。

今の気持ちを正直に言おう。

後悔しようが構わない。

そう思い、ゆっくりと口を開いた。

いや、心を開いた