中三の春から一年。

結局何もねーうちに、俺は高校に入学したんだ。

…できたって言い方の方が当たってるかもしれねーな。

俺は勉強なんか好きじゃねーし、

これといって取り柄なんてなかったから

担任の決めるままに

「いーんじゃない?」

っていう返事以外、高校入学に関する自分の意見はなかったと思う。

そんなことはどうでもいいんだ。

俺は柄の悪い専修学校に入学した。

入学する前に面接ってのがあるだろ?

俺の行ってる

“南専修”の面接ってのが

偶然、2月14日にあったんだよ。

あの日は雨だったっけ・・。

俺は慣れねえ標準の制服と

白い靴下に黒いロングコート。

おまけに整髪料なしのサラサラヘアで

黒い傘をさして

南専修へ向かった。

俺は行ってみてため息ついたよ。

俺が真面目に見えるからさ。

他のやつらは面接ってことに

全然ビビッてねえ。

茶色いリーパー、ボンタン、短ラン、赤い靴下、ガム、網サン・・・

いろんな奴らが集まってた。

俺の視界は一気に広がったよ。

すげえやつらがいるもんだ。

変なところで俺は関心してたよ。