ソウルメイト~男女の親友ってあるの?

幸雄には悪いけど

俺にとっちゃこっちの方が重大なイベントだった。

「ね、これいいよね、よーく見たら、なんだかユックンと麻紀みたい」

そう言って

奈緒が手にしたのは

ウサギのカップルが

白いタキシードとウェディングドレスを着た

ガラスの貯金箱だった。

「そんなの、…幸雄が喜ぶか?」

バリバリのヤンキーぶってる幸雄の部屋にさ

突然、こんなの置いてたら、笑うより先に冷たい視線を送っちゃうね。

「ユックンこーいうの好きなんだよ、知らないの?親友のくせに」

…いつから俺と幸雄は親友になったんだ?

…そのまえに幸雄の趣味を知ってた奈緒はなんなんだろ?

「知らねーよ、変わってんな幸雄って」

「顔見ればわかるじゃん」

「…まあな」

奈緒はあれこれいくつも見てたよ。

俺は飽きながら、何気に

周りをぼーっと見回すと

一つの写真立てが目に止まった。

「奈緒・・」

「なあにー?」

「これ… よくない?」

俺が指さしたのは

何てことのない写真立てだった。

でも その写真立てに入ってた絵は

江ノ島の風景だったんだ。