ソウルメイト~男女の親友ってあるの?

確かにどのくらい幸雄が考えちまってんのかは分かんなかったし、

どのくらい、すげーことなのかもそういう状況になったことねーから

わかんなかった。

けど、同情することはできたよ。

おせっかいだと思われたって

俺に出来るのはそれだけだった。

「俺さあ―、すんげームカついてたからさぁ。
家族とか、どうなったっていーとか思ったの―。俺もさぁ、ラリッたり
無免でバイクのって捕まったり
タバコで肺やられて死んでも
“まっ、いいかー”とか思ったんだぁ、そんとき。」

「シンナーやったの?」

俺はシンナーだけは好きじゃなかったんだ。

いきがってタバコ吸うくれーなら、たとえ死ぬっつっても

シンナーより何倍も時間かかるし大人だってやってんだ。

どうってことはねえ―。

けど、シンナーは脳みそメチャクチャんなるって

先輩が言ってたし、吸ってるときよりも

抜けてーって努力するときに、もっと

ボロボロんなるって聞いた。

死んだ奴だって何人もいる。

だからせめて幸雄だけはシンナーに走ってほしくなかった。

「ちょっとね」

幸雄はかっこつけて言った。

「幸雄―、すんげーかっこわりーぞ」

幸雄に裏切られた気分だったよ。

「・・・関係ねえだろ」

さすがに少しは

ムッときた見てーだった。