ソウルメイト～男女の親友ってあるの？

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奈緒の表情は強ばったままだ。

「僕の勤務先はなくなってしまったが、不妊治療に大金が掛かってしまうだろ。新しい職を紹介してもらって、ある日本人の片親の家族を任せてもらってる。カオリという三才の女の子がいてね。僕にとてもなついてくれるんだよ」

桜井はテレながら笑った。

いつもの奈緒に向けた笑顔とは違う、まるで見た事のない桜井の素直な笑顔だった。

その笑顔を見てしまった瞬間、

奈緒の心は氷の板の様にパリンと響いて割れ、

過去と現在の壁が壊れ、崩れた。

「そんなこと…、
そんなことくらい話してくれれば私は何も反対しなかったわ。
あなたは何故…
あなたは何故、私に何も言わないで決めてしまうの？！
何故、隠し事をするの・・・、私は何のために…」

奈緒は理想どおりの“結婚像”に近い人と結婚したハズなのに、

生活してる自分はちっとも幸せじゃないと感じていた。

奈緒は瀬那と二度と会わず、桜井の子供を産んで三人での生活を望んで渡米した。

・・・それなのに。