ソウルメイト~男女の親友ってあるの?

幼い女の子に反応する声も確かに桜井のものだった。一枚壁を隔て、

奈緒の脳には混乱と瞳には怒りと涙が溢れていた。

「ママはまだかい?カオリ、今日はこのお人形とボクと遊んで、
ママを待っていようね」

奈緒は

これ以上我慢できなくなり階段を駆け下りた。

「ん?ママが帰ってきたかな?」

桜井の開けた扉の先には

なんとなく奈緒の香りがした。

まさかな―。

独り言をつぶやいて桜井はドアを閉めた。


「なぜ嘘をついてまでアメリカに住んでいなきゃならないの?!」

奈緒に我慢の限界が訪れ、

桜井に問い詰めると桜井は仕方ないな、と話しだした。