ソウルメイト~男女の親友ってあるの?

桜井と奈緒にとっては夫婦の意味が

それぞれ全く違う物である様だった。

奈緒の望む幸せな家庭は

ここにはない―。

枕に顔を押しつけて

やりきれない苛立ちを押し殺すように

奈緒は泣いた。

瀬那―。

その日も、夜が明け、

いつも通り桜井より一足先にキッチンに立った。

奈緒は元気を装い桜井を玄関先で見送る。

「いってらっしゃい。」

桜井は早く帰るから、と

家を後にした。

一体毎日どこへ?

奈緒の推測は

探偵じみた一日を招いた。