一応、お返しは…、って思って
3月14日の夕方
奈緒の家に電話したんだ。
けど電話の相手は奈緒の弟で
「あー、お姉ちゃんもう寝てるよ」
え…、って思った。
電話した時は、まだ
陽が沈みきってなかったからな。
「どうかしちゃったの?」
俺は風邪でもひいたんじゃないか、と思って奈緒の弟、祐二に聞いた。
「んー、僕が4時に帰ってきた時は、もうグーすか寝てたからなあ、わかんないや、寝不足だよ、きっと」
「ふーん、あ、どうもな。電話くれって言っといて、起きたら」
「明日まで寝ちゃうよ、あの分じゃ」
「あーそっか、んじゃ、いーや。今度でいいからっつっといて」
「うん 分かった」
「じゃ」
「うん、じゃーね、兄ちゃん」
時計を見たら
まだ6時前だった。
俺ら、その年の中学卒業生は―
その日の3日前に中学生活を終えていた。
卒業する前、学校で何度か奈緒を見かけたよ。
3月14日の夕方
奈緒の家に電話したんだ。
けど電話の相手は奈緒の弟で
「あー、お姉ちゃんもう寝てるよ」
え…、って思った。
電話した時は、まだ
陽が沈みきってなかったからな。
「どうかしちゃったの?」
俺は風邪でもひいたんじゃないか、と思って奈緒の弟、祐二に聞いた。
「んー、僕が4時に帰ってきた時は、もうグーすか寝てたからなあ、わかんないや、寝不足だよ、きっと」
「ふーん、あ、どうもな。電話くれって言っといて、起きたら」
「明日まで寝ちゃうよ、あの分じゃ」
「あーそっか、んじゃ、いーや。今度でいいからっつっといて」
「うん 分かった」
「じゃ」
「うん、じゃーね、兄ちゃん」
時計を見たら
まだ6時前だった。
俺ら、その年の中学卒業生は―
その日の3日前に中学生活を終えていた。
卒業する前、学校で何度か奈緒を見かけたよ。



