俺が奈緒を知ったのは

中三の春頃だったよ

中学に入学してからずっとつるんでる幸雄(ゆきお)に何気に話したら

「ああ 知ってるよ 友達」

なんていわれて

幸雄とその彼女と俺と奈緒でよく会ってた。


ダブル2ショット っつうより【仲良しグループ】みたいにあんまり色気がなかった。

けど幸雄たちが

「ちょっと ゴメン」って言って

部屋を出てった時は

必ずドアの向こうでkissしてたのは

幸雄にきいて知ってたけどね。

部屋に残った 俺と奈緒はそういう時も変わらず

チェッカーズのVideoに夢中だったり

CDを聞きながら

会話をはずませてたよ

いやー 少なくとも俺は

意識してた。

俺を どう思ってる?

好きな男はいるのか?

俺がもし告白したら…

俺らしくない と 自分で思ってたよ。

一人の女のためにさ

何もめだたねー普通の女の子に

悩まされて なさけねー。

そして俺は、

こういう状態を壊すのがどうしようもなく怖くて、半年以上誰にも打ち明けずにいたんだ。