「中入る?」
「んー、迷うな・・・」
何を迷うのか俺にはわかったよ。あいつのことさ、
【佐藤に知られたら】
そう思ったに違いなかった。
「別に襲う気なんかねーよ」
俺は“一緒にいたい”と素直に思ったんだ。
「んー、じゃあ、お邪魔するね」
女を部屋に通すのは生まれて初めてだったから緊張してるのが分かったよ。
幸雄の家で二人になるのは平気なのに俺の部屋じゃなんか違う気がしてた。
奈緒は何か荷物をかかえて珍しそうに部屋中を見回してたよ。
「男の子っぽい部屋だねー」
奈緒は感激してたよ。
それに俺は感激した。
雨で濡れちまった髪をとかしたり
肩をハンカチでふいてみたり
冷えきった指を
白く吐いた息であっためたりする仕草が妙に女っぽさを思わせてたよ。
それに この日はバレンタインデーさ。
男の俺が気にするのも
変なことかもしれねーけど
【奈緒が渡す相手は俺じゃねーな】
とか、俺がもらっても100%義理だよなとか
奈緒なら手づくりだろうななんて
笑っちまうこと朝から考えてたよ。
最終的には
どうせ もらえねーしな。
知り合って一年しかたってねーし・・・
「んー、迷うな・・・」
何を迷うのか俺にはわかったよ。あいつのことさ、
【佐藤に知られたら】
そう思ったに違いなかった。
「別に襲う気なんかねーよ」
俺は“一緒にいたい”と素直に思ったんだ。
「んー、じゃあ、お邪魔するね」
女を部屋に通すのは生まれて初めてだったから緊張してるのが分かったよ。
幸雄の家で二人になるのは平気なのに俺の部屋じゃなんか違う気がしてた。
奈緒は何か荷物をかかえて珍しそうに部屋中を見回してたよ。
「男の子っぽい部屋だねー」
奈緒は感激してたよ。
それに俺は感激した。
雨で濡れちまった髪をとかしたり
肩をハンカチでふいてみたり
冷えきった指を
白く吐いた息であっためたりする仕草が妙に女っぽさを思わせてたよ。
それに この日はバレンタインデーさ。
男の俺が気にするのも
変なことかもしれねーけど
【奈緒が渡す相手は俺じゃねーな】
とか、俺がもらっても100%義理だよなとか
奈緒なら手づくりだろうななんて
笑っちまうこと朝から考えてたよ。
最終的には
どうせ もらえねーしな。
知り合って一年しかたってねーし・・・



