サマーリボン − つながるきずな −

side:茜

日本に帰ってきて、もう一週間。
夏休みの宿題は山のように残ってるけど、気持ちはまだイギリスに置きっぱなしのまま。

机の引き出しを開けると、旅の間に集めた写真やチケットがぎっしり詰まっている。
その中に——大事にしている一枚がある。
庭でみんなで撮った、あの「最後の家族写真」。

(ほんとに夢みたいだったな……)

そう思いながら眺めていると、母が階段を上ってきた。
「茜、手紙が届いてるわよ」

え? と顔を上げると、母の手には海外の切手が貼られた封筒。
差出人のところに見覚えのある字で——“Stella Stewart”。

心臓がドクンと高鳴った。
あわてて封を切ると、きれいな字でこう書かれていた。



Dear Akane,

日本に帰ってから、どうしてる?
私はまだ少しさびしいけれど、写真を見て元気を出しています。
咲の笑顔も、葵のむすっとした顔も、茜の泣き顔も、ぜんぶ宝物です。

次は、私が日本に行けたらいいな。
そのときは、茜の学校も見てみたい。

私たちは遠くにいても、ずっと“sisters”。
約束、忘れないでね。

Love,
ステラ



読み終わった瞬間、胸の奥がじんわりあたたかくなった。
涙がまた出そうになったけど、今度は悲しい涙じゃなかった。

「……うん。絶対、忘れない」

窓の外には、真夏の空。
イギリスと日本の空は遠く離れてるけど、どこかでつながってる。
そう思うと、ちょっとだけ誇らしい気持ちになった。

私は便せんを取り出して、ペンを走らせた。
次は私の番。
“また会おうね”って、ちゃんと伝えるんだ。

——こうして私の夏休みは、ひとつの大冒険と、大切な姉との再会で終わった。
でも、物語はまだ続いていく。

だって、私たちは家族だから。