side:茜
翌日。
私たちはステラお姉ちゃんに案内されて、彼女の通う学校を見学することになった。
石造りの門をくぐると、広い芝生の庭に古い建物。まるで映画の中みたいで、思わず口をあけてしまった。
「ここが……ステラお姉ちゃんの学校?」
「Yes!」
お姉ちゃんは少し誇らしげに笑った。
* * *
校内に入ると、すぐにお姉ちゃんの友達が駆け寄ってきた。
「Stella! Is this your family?」
「Wow, they look like you!」
みんなが一斉にこちらを見て、にこにこと笑う。
咲姉は慌てて「えっと……Nice to meet you!」と手を振った。
友達が「Cute!」と返してくれて、咲姉は顔を真っ赤にしていた。
一方、葵兄は「……なんか見られるの慣れてねぇ」と小声でぼやく。
でも、ステラと並んだその横顔が、驚くほど似ていて——友達たちは「Twins!? Really!?」と目を丸くしていた。
「……まあ、そういうことだ」
葵兄が照れ隠しのように肩をすくめると、ステラの友達が一斉に拍手して「Amazing!」と盛り上がった。
そのとき、ステラが嬉しそうに私の手を握ってきた。
「See? They welcome you.」
「……うん」
胸の奥がじんわりあったかくなる。
* * *
案内してくれた先生は、日本から来た私たちを大歓迎してくれた。
「ステラはとても頑張り屋ですよ。ピアノも上手だし、友達もたくさんいる」
お母さんが目を細めて「そうですか」と答える。
お父さんは少し感慨深げに校舎を見回していた。
きっと、置いてきてしまった娘がこんな場所で成長してきたことに、胸を打たれたんだと思う。
おじいちゃんも「立派になったなぁ」と小さくつぶやいていた。
* * *
授業が始まると、私たちは後ろから少しだけ見学した。
ステラが英語でスラスラ発表している姿は、すごく大人っぽくて……ちょっと遠い存在に見えた。
(ここでは“私たちの知らないステラ”なんだ……)
そう思って、少し胸がきゅっとした。
でも休み時間になると、お姉ちゃんは私の隣に来て、日本語で言ってくれた。
「でもね、茜。あなたは——“私の妹”。それはどこでも変わらない」
にっこり笑う顔に、涙がこぼれそうになった。
「……うん!」
翌日。
私たちはステラお姉ちゃんに案内されて、彼女の通う学校を見学することになった。
石造りの門をくぐると、広い芝生の庭に古い建物。まるで映画の中みたいで、思わず口をあけてしまった。
「ここが……ステラお姉ちゃんの学校?」
「Yes!」
お姉ちゃんは少し誇らしげに笑った。
* * *
校内に入ると、すぐにお姉ちゃんの友達が駆け寄ってきた。
「Stella! Is this your family?」
「Wow, they look like you!」
みんなが一斉にこちらを見て、にこにこと笑う。
咲姉は慌てて「えっと……Nice to meet you!」と手を振った。
友達が「Cute!」と返してくれて、咲姉は顔を真っ赤にしていた。
一方、葵兄は「……なんか見られるの慣れてねぇ」と小声でぼやく。
でも、ステラと並んだその横顔が、驚くほど似ていて——友達たちは「Twins!? Really!?」と目を丸くしていた。
「……まあ、そういうことだ」
葵兄が照れ隠しのように肩をすくめると、ステラの友達が一斉に拍手して「Amazing!」と盛り上がった。
そのとき、ステラが嬉しそうに私の手を握ってきた。
「See? They welcome you.」
「……うん」
胸の奥がじんわりあったかくなる。
* * *
案内してくれた先生は、日本から来た私たちを大歓迎してくれた。
「ステラはとても頑張り屋ですよ。ピアノも上手だし、友達もたくさんいる」
お母さんが目を細めて「そうですか」と答える。
お父さんは少し感慨深げに校舎を見回していた。
きっと、置いてきてしまった娘がこんな場所で成長してきたことに、胸を打たれたんだと思う。
おじいちゃんも「立派になったなぁ」と小さくつぶやいていた。
* * *
授業が始まると、私たちは後ろから少しだけ見学した。
ステラが英語でスラスラ発表している姿は、すごく大人っぽくて……ちょっと遠い存在に見えた。
(ここでは“私たちの知らないステラ”なんだ……)
そう思って、少し胸がきゅっとした。
でも休み時間になると、お姉ちゃんは私の隣に来て、日本語で言ってくれた。
「でもね、茜。あなたは——“私の妹”。それはどこでも変わらない」
にっこり笑う顔に、涙がこぼれそうになった。
「……うん!」



