この胸のドキドキは、経験したことがない。
こんな風にストレートに男の子に気持ちを伝えてもらったことは人生で一度もないし、初恋の先輩に対してもここまでの胸の高鳴りは感じたことがない。
なんだか心臓が、痛い。ぎゅっと、強く心臓が掴まれているかのように痛くて苦しい。
……早く、早く映画、はじまって〜〜!
なんて、心の中で思っていると「槙田ちゃん」と大西くんに名前を呼ばれた。
「はい、口開けて?」
大西くんの方に顔を向けるとそう言われて、言われた通りに口を開けると、ポンとキャラメルポップコーンが口の中に入ってきた。
「美味しい?」
ニコニコと、目尻を下げて優しく笑う大西くんに、こくこくと数回頷くと、嬉しそうに笑ってまたポップコーンを口に運んできた。
「ほら、いっぱいお食べ〜」
次々に口の中にポップコーンを入れてくる大西くんはとても楽しそうで。
「んん!ちょ、待って!じ、自分で食べれるよ」
「もぐもぐしてるの可愛いから、つい」
なんて、大西くんはクスクスと笑いながら少し意地悪な顔をして、次に私の口に入れようとしていたであろうポップコーンを自分の口に入れた。
「甘っ!でもポップコーンはやっぱりキャラメル味だよね〜」
そう言って頬を緩めた彼は、美味しそうにポップコーンを味わっている。
