人気の映画なだけあって、すでに劇場内は満席に近い状態だったけど、大西くんが先にチケットを買っておいてくれたおかげで、案内されたのはほぼ真ん中の席。
指定の席について、ふぅ、っと一息つく。
ここまでは緊張しながら大西くんの後をおいかけてきたけど、映画が始まってしまえばなんとかなりそう……!
「あ、そうだ。ポップコーンとドリンク代は私に出させて?」
ここまでのお金は全て大西くんが出してくれていたから、せめて飲食代くらいは払いたい。私は忘れないうちにと鞄からお財布を取り出した。
「そんなの気にしなくていいよ。俺が無理やり誘っちゃったようなもんだし」
「そんな、無理やりなんかじゃないよ」
「じゃあ、お金はいいから手を繋いでもいい?」
大西くんは私の手を取ると、指を絡めて満足そうに笑った。
大西くんは本当に嬉しそうに笑っていて、そんな彼の笑顔を見ると、どうしても胸がきゅっと苦しくなってしまう。
