幻燈ショー ~苦いだけの恋じゃない~

チラホラ聞こえてくる歓声から、2人の注目っぷりがうかがえる。教室では見せない真剣な表情の陽平と要は、素直にカッコイイと思った。


……なのに、どうしても私は右へ左へと別の人を探してしまう。


ユニフォームの種類を見る限り、今日の参加は全部で6校。それでも楓レーダーが搭載されている私の目は、的確に彼を見つけ出す。


――――あ、いた。


栗色だった髪は以前よりトーンダウンしているが、彫りの深い猫目と、程よく筋肉がついた長い手足は、半年前と変わらない。


……いや、やっぱり違う。同じじゃない。また身長が伸びたのか、前よりもバスケ選手らしい体つきになった。


「陽平達ってバスケしてるとカッコイイね!」

「バスケしてないときは?」

「いやぁ……ふつう?」


オールコート2面の中央で男性が笛を鳴らすと、カラフルなユニフォームが各々に集まり、和気あいあいと休憩に入る。


真下へ来た赤い集団の中から陽平と要を見つけた時、2人もこちらに気づいたようで、お互いに静かに微笑んだ。


「カッコイイんだろうけど、意識したことなかったなー」

「カンナの場合は成弥くんのせいでハードル上がってんだよ」


話題は一貫していても、結局はまた、白いユニフォーム姿の楓を追ってしまう。


マネージャーらしき女の子に向けられた笑顔。黒のリストバンドがない左腕。全てを割り切ろうと決めたのに、些細な違いにまで胸が疼く。


「ウチの兄ちゃんは周りが言うほど――」


カンナの話から意識が逸れていくなかで、ふいに楓がこちらを向いた。


「うそ……」

「ん? どした?」