麗しい王子フェイスが微笑むと、推定1位が確信へと変わる。結局のところ、この煌やかさに勝てる男子生徒なんていない。
日頃からカンナが隣にいるので当たり前になっているが、すれ違う人々は、芸能人でも見ているかのように榎本兄妹を目で追う。
今だってそうだ。同じ制服を着て同じ方向へ歩いている学生ですら、わざわざ立ち止まり、私より頭一つ分高い位置へ視線を向ける。
「あっ、あの!」
ふいに背後から聞こえてきたのは、控えめで可愛らしい声だった。
「あのっ、榎本先輩の彼女さん……ですか」
振り向きざまに成弥くんと顔を見合わせ、彼女の悩ましげな瞳につられて、王子の反応をまたうかがう。
「…………」
「ちょっと成弥くん、早く否定しなよ」
「あー、いや、芙由が彼女とかウケるなぁって想像してた」
一応は口元を拳で隠しているが、頬も目尻も、成弥くんの表情筋全てが“楽しい”を描いていた。悪気がないのは分かっているけど、マイペースも大概にして欲しい。
「こいつは彼女じゃないよ」
――――でたよ、黒王子スマイル。
「そうなんですね! ありがとうございますっ!」
一礼した女の子は艶っぽい唇を吊り上げ、軽い足取りで私達の横を通り過ぎていく。
何が嬉しいのか。何が『ありがとうございます』なのか。その答えはなんとなく想像できるが、同情しか湧かない。
「成弥くんってさ、女の子と歩いてるときはいつもこんな?」
「あたりまえじゃん。男と歩いててもこんな」
ほらね。
日頃からカンナが隣にいるので当たり前になっているが、すれ違う人々は、芸能人でも見ているかのように榎本兄妹を目で追う。
今だってそうだ。同じ制服を着て同じ方向へ歩いている学生ですら、わざわざ立ち止まり、私より頭一つ分高い位置へ視線を向ける。
「あっ、あの!」
ふいに背後から聞こえてきたのは、控えめで可愛らしい声だった。
「あのっ、榎本先輩の彼女さん……ですか」
振り向きざまに成弥くんと顔を見合わせ、彼女の悩ましげな瞳につられて、王子の反応をまたうかがう。
「…………」
「ちょっと成弥くん、早く否定しなよ」
「あー、いや、芙由が彼女とかウケるなぁって想像してた」
一応は口元を拳で隠しているが、頬も目尻も、成弥くんの表情筋全てが“楽しい”を描いていた。悪気がないのは分かっているけど、マイペースも大概にして欲しい。
「こいつは彼女じゃないよ」
――――でたよ、黒王子スマイル。
「そうなんですね! ありがとうございますっ!」
一礼した女の子は艶っぽい唇を吊り上げ、軽い足取りで私達の横を通り過ぎていく。
何が嬉しいのか。何が『ありがとうございます』なのか。その答えはなんとなく想像できるが、同情しか湧かない。
「成弥くんってさ、女の子と歩いてるときはいつもこんな?」
「あたりまえじゃん。男と歩いててもこんな」
ほらね。
